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neko note  

あんなこと、こんなこと。

2/カンテと猫と服が好き


カンテと猫と服が好きー

ブルブルさん、ヨンマさん、私たち3人の共通点といえばカンテと猫と服が好きなこと。年代も出身もバラバラでよく考えるとお互いのプライベートなことはあまり深く知らない。ただ好きなことは本気でやりたい、できればカッコよく。ついでに社会の役に立てばなお嬉し。ヨンマさんは身長150cmくらいの小柄な女性で、流行に流されない個性的なファッションでいつも現れるので楽しみしている。この日はグレーのウール地でできた作家さんお手製のどんぐり帽子をかぶり、赤黒に黄色のラインでアクセントを効かせたロンドンチェックのゆったりパンツにトップスは黒のウールジャージ、胸にはパンツと同じ柄の布ブローチが付いていた。黒の革靴に遊び心があるラフな透明ビニールのショルダーバッグが大人可愛い。ファッションデザイン出身の私はモード系なので何かトレンドアイテムをつい入れてしまうのだが、ヨンマさんのように流行にブレず我が道を行くスタイルに憧れる。きっと彼女のクローゼットはどの組み合わせもストレスなく合うのだろうなと思う。ランチを食べていると、少し遅れてブルブルさんが現れた。ブルブルさんは70代になっても服に妥協せずいつもお洒落である、軽く会釈をして黒のナイロンコートを脱ぐと細身の体に白シャツにチャコールグレーの薄手のVセーター&黒のパンツといたってシンプルなコンサバ・スタイル。"今日、僕おっさんみたいなファッションやろ?"2017年、ブルブルさんの開口一番にヨンマさんと目があいニヤリとしてしまう。そう言う感じのファッション、デザイン事務所の男性に多いですよ?と言うと、ブルブルさんもようやく席について3人で話し始めた。

たたき台がないとミーティングも前に進まないと思い、猫展を開催するためのコンセプトを前日にサクッと考えてきた。カンテらしい猫展とはなんぞや?仕事柄、友人同士の遊びであろうとも金銭が発生する場合は責任が伴う。参加してもらう作家や、来てくださるお客さま、場所を貸してくださるお店、そしてタイトルに掲げたように猫もよろこぶカンテ猫展を作りたい。いろいろ欲張った分、今回のハードルはものすごく高いのだ。けど高いハードルならくぐったらええやん?と考えるところがこのメンバーの良いところ。ようやく本題の話をし始めた矢先、ふと窓の外に目をやると白っぽい猫が植え込みの中を歩いてくるのが見えた。チビちゃんちゃう?声に出して私が言うと、ヨンマさんはカバンの中に忍ばせていたネコご飯を掴みエントランスにすっと消えていった。私も成長したチビちゃんが見たくて急いで後を追う、何事も猫が優先〜脱線も想定内。チビちゃんすっかり大人ですね〜どっかに子ども作ってるかも?そう聞くとヨンマさんも、たぶん作ってる気がするわ去勢せなあかんかも?と笑顔が曇った。野良猫が増えないようにと理屈では思うけど、猫の人生の大事な選択を決める決定権は本当に人間にあるのだろうか〜といつも葛藤している。

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