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neko note  

あんなこと、こんなこと。

3/猫のための家


猫のための家ー

ランチを食べ終わり、企画書がわりに簡単に作ってきた猫展の仮HPをパソコンで2人に見せようとしたらwifi環境が悪くて店では見れないことが判明した。"じゃあ、wifi飛んでる2階行こか?"とブルブルさん、2階とはブルブルさんの自宅のこと。ブルブルさんの自宅は8階建マンションの最上階にある。つまりブルブルさんはざっくりマンション全体を1フロアと数えているようだ。ブルブルさんの家はマンションのペントハウスというより屋上に突然一軒家が現れたような不思議な造りだ。ずっと以前、阪急電車の車窓からカンテの方角を見ると、マンションの上に森に囲まれたピンクの一軒家が見えた。一体誰が住んでいるのだろう?と不思議に思っていた。ブルブルさんの家だと分かったのは随分後のことだ。エレベーターを降りると左手に緑のガーデンと玄関へのアプローチが続き、扉を開けるとアジアの高級コテージに来たような大きな観葉植物が出迎えてくれる。扉を開けると高い天井と重厚でシックな木の家具の間から木漏れ陽が降り注ぐ。音質のいいスピーカーからはオペラが流れていて、センスのいいリビングで紅茶をいただいているとここが地味な中津だということを忘れてしまう。一人暮らしのブルブルさんのキッチンには、キッチン用品と一緒に絵筆が並んでいて画家っぽい。大きな家だけれど絵の具で汚れるから、普段はキッチンのダイニングテーブルで作品を描いているそうだ。リビングで話していると、時折2匹の愛猫たちが現れてはスッと消えていく。目線を下げたらブルブルさんの自宅の扉には全て猫のための小さな出入り口がついていた。なので部屋から部屋へ移動するときに猫たちは開けてくれ〜とわざわざ鳴かなくてもいいらしい。なんて贅沢な猫のための家(実際はブルブルさんの家だけど)だろうとため息が出てしまう。

仮HPには内容をまとめず思いつくままメモのようにコンテンツだけ記載した。やりたいことを全部書いて、作りながら修正していけばいい。とりあえず考えていることを文字とイメージ写真で作ってみました〜などと真面目に企画プレゼンをして2人の様子を伺う。コンセプトは"猫も人もシアワセになれるで、たぶん" タイトルは-猫もよろこぶカンテ猫展-"nekocante"とした。誰からも質問も異議は出ず、日程は5/5-5/15とすんなり決まり、ブルブルさんのおかげでギャラリーも抑えることができた。2人の目の前でHPに日程を入れて、nekocante はあっさり船出をしてしまった。とは言えイベントを開催するにもはっきり言って資金はない。大人だしポケットマネーで済む金額だけど、それをしたら本気度に欠ける。イベントならばイベントらしく経費の収支をどうまかなうか?考えたい。お店には猫展狙いのお客さまが増えるので飲食の売り上げに協力できると、どんぶり勘定の提案でギャラリー代を無償にしてもらった。とは言え確約はできないので、代わりに閉鎖されているHPを私がボランティア制作することにした。カンテのHPがなければ、猫展のHPは単独公開になるのでリンクで拡散することが難しくなる。持ちつ持たれつ、世の中はバーターでどうにかなる〜プロのスキルとはそう言う時に役にたつのだ。

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